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2023年4月14日、青山メディカルグループの岡田宗修代表が、ダナン医薬技術大学で開催された「第2回国際科学会議2023-大学創立60周年および大学昇格10周年記念式典」に招聘され、「日本とベトナムの両国における高齢化社会の現状や介護人材ニーズとその課題解決についての考察」というテーマで講演を行った。
●日越の現状
ベトナムの人口は約1億人で、平均年齢は33.7歳、高齢化率は12%。一方、日本の人口は約1億2600万人で、高齢者が人口の28%を占め、約3500万人となり、高齢化が進んでいる。高齢化によるプラスの影響として、高齢者向けのケアや産業の促進があるが、労働人口不足や社会保障制度の課題というマイナスの側面もある。
●日越の高齢化社会における課題と、解決の方策
日本では、介護人材不足や給与水準の低さ、高齢化社会の急速化、介護費用の高額化などが課題となっている。解決策として、労働力の確保、介護従事者の所得改善、年金・保険制度の維持、高齢者の文化的・精神的な生活の安定化などが考えられる。一方、ベトナムでは介護施設の不足や介護人材の質・スキルの低さ、介護に対する社会的認知度の低さ、介護サービスの不足、介護費用の高騰などが課題として存在している。課題解決の方策として、日本の介護人材育成の仕組みを学び、ベトナム独自の介護人材育成の確立や介護予防の強化を通じて福祉市場を活性化することが考えられる。
●日越両国の今後、あるべき姿とは?
日本の民間企業がベトナムでの介護人材育成施設を設立し、日本語教育や文化の違いを考慮した施策を構築する。ベトナムは日本の介護人材育成の仕組みを学び、独自の介護人材育成の仕組みを確立し、質の高い介護技術とサービスを普及させ、福祉市場を活性化させることを目指す。また、介護予防を充実させて健康寿命を延ばし、福祉費用を抑制することが考えられる。ベトナム社会では家族介護が主流であり、1970年代の日本と似たような状況があるため、日本の高齢化社会対策の経験は重要視される。今後、介護に関する専門知識や技術を持った人材がベトナムにはほとんどいないため、日本の経験が有益になると考えられる。
最後に「日本とベトナムが互いに学び合い、相互理解を深めることが重要。文化や価値観の違いを理解し、共通の目標に向かって協力し合うことで、効果的な解決策が生まれる可能性がある。両国の協力には技術面や制度面、支援活動などが必要であり、高齢者介護の問題解決に繋がり、社会全体の発展に貢献できると考えられる。」と締め括った。
青山メディカルグループは2015年にグループ法人としてベトナム現地法人JVMCHR(以下、JVMCHR)を設立。 JVMCHRはハノイとダナンに留学・日本語教育センターを擁し、日本の教育機関や医療・福祉機関から委託された外国人人材の「募集」「日本語教育」「介護技能教育」「生活指導」「ビザ申請支援」「出国支援」 等を行い、日越の“架け橋”となっている。ダナン医薬技術大学とJVMCHRは2016年から親交を深め、2018年にJVMCHRの事務所を大学内に設立。看護学部での日本語教育課程の指導を担っている。
青山メディカルグループは、今後も日本における介護人材不足の問題解決に向け、国内外での人材育成に力を入れます。日越両国が協力して取り組むことで、高齢者介護の問題を解決することができると確信しています。我々は双方の社会全体の発展を目指し、さらなる取り組みを続けてまいります。
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