わんこと私のよもやま話
我が家には7匹のわんこがいます。  「正確には1匹は娘宅に居候し」6匹です。
皆それぞれに、色んな経路で、我が家の一員となりました。
今回は少し悲しい話からスタートさせて頂きます。
約5年前の秋の夕食時、当時、中学生の次男が「近くの広場に、捨て犬がいる」と この話が
始まりました。  何気なく話を聞きながら、何か心に引っ掛かりながら
でも当時、我が家には4匹のわんこが居り、まるで他人事のように話を聞いていました。
数日後、次男が「あの犬は駄目かもしれん。俺は、本当に何も出来ない奴やな」と ポツリ
「何も出来ない奴」の言葉に違和感と引っ掛かりを感じ 「何もしないうちに、出来ないと嘆くな。
目的に向かって動けば、事態は変わる。時計の針は動く」と まんまと次男の罠にはまった格好と
なりました。次の日に帰宅すると、玄関に鎮座したわんこと初対面。
今、考えれば、座ることも出来ないほどに疲れ、窶れ、身体中に無数の傷、右頬には傷が化膿し
皮膚病状態の雑種の茶色い男の子でした。 緊張のあまりに座ることしか出来なかったようです。
ここから戦いが始まりました。近隣の警察、保健所に迷い犬の情報集め、動物愛護団体への連絡
わんこも知らない家に連れ込まれ、恐怖の為か、食物、水も一切摂らず 。
「反抗はしません」と言わんばかりに、お腹は見せるが、傷口は触らせない。
迷子犬の届けは無く、近所の方の情報によれば、軽四自動車に乗せて来られ、広場で捨てられ
一瞬の出来事で、犬も自動車を追いかけたが、振り切られたとのことでした。
その日を境に、捨てられた時間に、どこからもなく現れ、遠吠えをし、夜までその場を離れず
日に日に、見るも哀れになったとの事でした。
推定年齢2歳、茶色の雑種の子でした。数日で食事は摂れるようになりましたが、こちらとの力関係
を調べるためか、急に兇暴となり、他者「父」を咬む事件が起こりました。
愛護団体からの連絡もなく、行き詰まり、悩んでいる私に父が「時計の針はまだ動いていない。
途中に投げ出すのか、小さな命を救えず、人生を背負った方の介護は出来ない」と奮起の言葉
愛護団体より紹介された方が「本当は雑種嫌いや」との言葉に、我が家の準構成員から正構成員
になりました。   命名 「梵天」  通称 「ノラリン」
会社の上司より、真新しい犬小屋も贈呈され、現在は問題行動もなく、私の頼もしい用心棒となって
いますが、笑顔はまだ見せません。主冶医より「損はしないように」と助言を頂きますが
私にとっては「こんな良い子を捨てた人が損。一生、後悔の念に悩まされる、私は一緒に生活が出来
幸せ」と 心の中で返答しています。
どうか、どうか皆さんにお願いしたいです。小さな命ですが、確かに今、生きている命です。
命の重みは同じです。 笑わない犬は作らないで欲しいです。